SaaS型ビジネスモデルの特性と赤字容認の背景
💡 はじめに
「マネーフォワードってずっと赤字だけど、大丈夫なの?」
そんな疑問を持ったことのある方は多いのではないでしょうか。実はこれはSaaS企業全体に共通するテーマでもあります。
本記事では、マネーフォワードのようなSaaS企業が赤字でも市場から評価される背景について、ビジネスモデル・指標・競争優位性・資金調達の観点からわかりやすく解説します。
📈 SaaS型ビジネスはなぜ赤字でも評価されるの?
✔️ ストック収益モデルの安心感
- SaaSは月額・年額課金などの定期収益モデルが基本。
- 将来の売上予測が立てやすく、投資家にとっても“読みやすいビジネス”とされる。
✔️ 「40%ルール」とは?
- **売上成長率 + 営業利益率 ≧ 40%**であれば健全な経営と見なされる。
- 赤字でも成長率が高ければポジティブ評価。
✔️ 高粗利・低チャーン
- SaaSは**粗利率70〜80%**と高水準。
- 解約率が低ければLTVが安定し、長期的に収益化しやすい。
🚀 マネーフォワードの実績と指標は?
📊 ARR(年間経常収益)
- 現在約300億円規模、前年同期比+29.6%の成長を継続。
- 中期計画ではARR400億円超を目指している。
🔁 解約率とLTV/CAC
- 月次解約率:**全体1.3%、法人向けは0.7%**と非常に低水準。
- LTVは約1.9倍に改善し、CAC回収期間は2〜3年程度。
💰 EBITDAは黒字転換へ
- 広告宣伝費を除けば、EBITDAベースではすでに黒字水準。
- 今後は営業利益ベースの黒字化も見込まれている。
🏆 マネフォの強みと競争優位性は?
💼 プロダクトの広がり
- 会計だけでなく、給与・請求書・経費・勤怠・資産管理など、バックオフィス業務をフルカバー。
- 中小〜大企業向けまで対応するスケーラブルな製品群。
🧑💻 UI/UXの強さ
- 会計・人事といった難しい業務を“使いやすいUI”でカバー。
🤝 販路の多様化
- 税理士・会計士ネットワークなど、会計事務所経由の導入も強い。
- 中堅企業以上への展開も成功し、エンタープライズ市場への比率が年々増加。
💸 資金調達もグローバル視点
🌍 海外投資家中心の増資
- 上場後、数百億円規模の資金を海外投資家から調達。
- 2021年の315億円増資では10倍近い需要が殺到。
🧩 M&A戦略
- Admina、HiTTOなど複数のHR・財務系SaaSを買収。
- 調達資金の約40%以上を戦略的M&Aに活用。
🔮 黒字化に向けたロードマップ
📆 中期目標(2028年)
- 売上1,000億円・EBITDA 300億円の達成を掲げる。
📉 成長とコストのバランス
- 成長投資を続けつつ、営業赤字幅の縮小と効率改善を進める。
✅ 黒字化の可能性は?
- 市場拡大(電子帳簿保存法・インボイス制度)を追い風に、
- 高ARPA化/クロスセルで1社あたりの売上最大化へ。
✅ まとめ
- SaaSは売上成長と継続収益が重視され、赤字でも評価される構造。
- マネーフォワードはARR成長・低解約率・高LTVで高く評価されている。
- 海外投資家からの強い支持、スケールメリット、製品群の広さが魅力。
- 2028年の黒字化計画も現実味があり、将来性は引き続き期待できる。
赤字でも評価される理由、そこには“SaaSの本質”が隠れています。
「今、利益が出ているか」ではなく、 「未来のキャッシュフローがどれだけ確実か」が問われる世界。
マネーフォワードの歩みは、SaaS企業のあるべき成長戦略を示しているのかもしれません。
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