💡 はじめに
こんにちは、Manahataです!
今回は、タレントマネジメントSaaSを展開する「カオナビ」のカーライルによるTOB→上場廃止のニュースをきっかけに、SaaS業界で今後注目されるであろう“統廃合”の動きについて考察してみたいと思います。
IPOを目指す企業が多い中、なぜカオナビはあえて“非上場化”を選んだのか?また、今後SaaS業界はどこへ向かうのか?SaaS企業で働く方、これからキャリアを考える方にとって、ヒントになるような視点をお届けします。
📉 カオナビ、なぜ上場廃止?
2024年、カオナビはPEファンドのカーライル・グループによるTOB(株式公開買付)を受け、2025年6月11日に東証グロース市場を上場廃止しました。
この背景には、成長投資の加速や長期的視点での事業運営を実現する狙いがあります。上場企業であることで求められる四半期ごとの決算説明や株主対応といった“短期的圧力”を避け、プロダクト強化や海外展開といった“長期的な勝負”に集中するための判断です。
🔄 SaaS業界で進む「統廃合」
2023年以降、SaaS業界ではM&A(企業の統合・買収)が急増しています。背景には以下のような事情があります:
- IPO市場の冷え込み(投資家の選別が厳格化)
- 売上成長が頭打ちになったSaaSの出口戦略としてのM&A
- 顧客基盤・技術・営業体制などの統合によるシナジー効果
たとえば、ユーザベース(NewsPicksの運営会社)も上場を廃止して非公開化を選択しました。今後も同様の事例は増えていくと見られます。
🔍 非上場化のメリットとデメリット
メリット:
- 成長投資に集中しやすくなる
- 機動的な経営判断が可能(ガバナンスの柔軟性)
- 社内改革や新事業開発のスピードアップ
デメリット:
- 情報の透明性が下がる(社外から見えにくくなる)
- 株式による資金調達が難しくなる
- 株主流動性の制限
🧭 SaaS業界の今後とキャリア視点
今後、一定の成長フェーズを超えたSaaS企業は、「IPOかM&Aか」の選択に迫られる機会が増えるはずです。
また、業界全体としても“スケールできる企業に資本・人材が集中する”流れが強まっていくでしょう。
SaaS業界で働く人にとっては、
- どんなフェーズにいる企業か?
- 今後の資本政策はどう考えているか? を見極める視点が、転職やキャリア選択においてますます重要になってきます。
✅ まとめ
- カオナビの上場廃止は“短期目線からの脱却”を意図した経営判断
- SaaS業界ではIPOだけでなくM&Aや統合が一般化しつつある
- 非上場化には成長投資の加速や柔軟な経営判断というメリットがある
- 今後は「上場か非上場か」よりも「戦略に合った資本構造か」が問われる
業界の転換点とも言えるいま、1社1社の動きが、未来のSaaSの形を示唆しているように感じます。
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